ポリッシャー洗浄の基本

ポリッシャー洗浄の基本を押さえて洗いムラをなくそう!

ポリッシャーによる清掃を行っているとほぼ必ずぶつかる壁があります。それが「ポリッシャー洗浄による洗いムラ」ではないでしょうか。

使用する清掃機器や洗剤、床材の特性や汚れ具合などなど。洗いムラを発生させないためには様々な知識と経験が必要になってきます。

今回は清掃機器の1つであるポリッシャーがどのような洗浄特性を持った機器なのか基本を押さえた上で、洗いムラをなくすためにはどのように扱えばよいかを考えていきたいと思います。

 

 

下の図はポリッシャーのディスク部分ではどのような力が働いているかを示したものです。
ポリッシャーは使用者から見て反時計回りに回転し、円運動の物理法則上、中心点からの距離が遠くなるほど力が強くなります。

ポリッシャー洗浄の基本

 

下の図は色で力(洗浄力)の強弱を表しています。
赤色が濃くなる程、洗浄力が強くなります。すなわちポリッシャーのディスク部分は中心点から離れるほど洗浄力が強くなる特性があります。

ポリッシャー洗浄の基本

 

ここまでの内容はあくまでもポリッシャーのディスク部分に均等に力が加わっている状態、つまりポリッシャーのスイッチを入れたときにポリッシャーをその場から動かしていない状態での洗浄力になります。

問題はポリッシャーを前後左右に動かすとき、ディスクの特定部分に荷重がかかり、その部分の洗浄力が強くなることです。

 

例えば、下の図はポリッシャーを左に移動させたときの洗浄力を表しています。
ポリッシャーを左に移動させるにはディスクの下側に荷重をかける必要があるので、下側の洗浄力が強くなります。
ポリッシャー洗浄の基本
ポリッシャー洗浄の基本

 

また同様に、ポリッシャーを右に移動させるにはディスクの上側に荷重をかける必要があるので、上側の洗浄力が強くなります。
ポリッシャー洗浄の基本
ポリッシャー洗浄の基本

 

これらの特性を理解したうえで、下の図のようなルートでポリッシャー洗浄を行うとどのようになるかを見ていきましょう。
ポリッシャー洗浄の基本

 

下の図はポリッシャーのディスクを重ねずに洗浄した場合の洗浄力の強さを表しています。
赤色の濃い部分や薄い部分がグラデーションのようになり、パッと見ただけでも洗いムラが発生していることが分かります。
ポリッシャー洗浄の基本

 

続いての図は、ディスクを半円重ねて洗浄した場合の洗浄力の強さを表しています。
先ほどのグラデーションのような洗いムラはなくなったものの、重ね洗いによって洗浄力の強い部分と弱い部分が前よりも強く出ています。
もしかしたら先ほどよりもこちらのほうが、洗いムラがはっきりと出てしまうかもしれません。
ポリッシャー洗浄の基本

 

最後の図は、ディスクを 約2/3 重ねて洗浄した場合の洗浄力の強さを表しています。
濃い赤色が均一になり、洗いムラがほとんどないことがわかります(最初と最後が薄い赤色ですがここでは無視してください・・・)。
ポリッシャー洗浄の基本

 

いかがだったでしょうか。
普段何の気なしに使っているポリッシャーは少しの動かし方で洗浄力が変わってしまう上級者向けのツールだということが分かります。

一応補足ですが、今回ご説明したようにポリッシャーのディスクを 2/3 重ねれば洗いムラがなくなるというわけではありません。

ポリッシャーのディスク全体に均等に荷重がかかるように動かしてあげれば、上の図よりも少ない重ね洗いでムラをなくすこともできますし、逆にもっと荷重をかけて動かす場合はもっと重ねて洗う必要があるかもしれません。

どちらにしてもポリッシャーの種類やサイズ、パッドやブラシの種類や毛の長さや固さなどなど、パターンは様々なのでお手持ちのポリッシャー装備ではどのような洗い方ならムラが出ないのか色々と試してみて下さい。