アパートやマンションの集合ポスト付近には入居者の方が不要なチラシを捨てるための「チラシ入れ」が置かれている場合があります。
この「チラシ入れ」ですが、はたして本当に置いたほうが良いものなのでしょうか。
掃除屋の観点になってしまいますが、私の結論は「チラシ入れは置かないほうが良い」です。
理由は3つあります。
1つ目は、「チラシ入れを設置すると美観が損なわれる」です。
当然ですが、チラシを入れるためのカゴやゴミ箱を設置するとエントランスや集合ポスト周辺の美観は多少悪くなってしまいます。
例えば高級マンションの集合ポストにゴミ箱が置かれていたら少し残念な気持ちになりませんか?
便利さと美観は表裏一体なところがあるので、美観を優先するならチラシ入れの設置はオススメできません。
2つ目は、「チラシ入れを設置すると清掃の手間が増えてしまう」です。
この内容だけだと「それは清掃屋の都合だろ!」と思われそうですが、清掃の手間が増えるとその分、清掃料金が上がってしまう場合があります。清掃料金は入居者の方の管理費から捻出されているので、最悪、管理費が上がってしまうリスクがあります。
また、チラシ入れの回収作業に時間が割かれるため、ほかの箇所の清掃時間が減って品質が落ちてしまうというリスクもあります。
チラシ入れを置くことで発生する清掃作業は意外に多いのです…
清掃の見積もりをするときは、どの箇所にどれくらいの時間が掛かるのかを細かく計算しますので、チラシ入れの設置によって上記のようなことが起こってしまう可能性があります。
3つ目は、「チラシ入れを設置すると入居者の方のマナーが悪くなる」です。
実はこれが一番伝えたかった内容です。
チラシ入れ自体はオーナーさんや不動産屋さんの入居者の方に対する親切心で置かれている場合がほとんどですが、入居者の方からするとチラシ入れが置かれていればそれが「当たり前」になってしまうのです。
例えば下の写真のチラシ入れは、一杯になっている状態でさらにチラシを捨てられてしまったために溢れて出てしまっています。
さらに下の写真はチラシ入れの中に家庭ごみを捨てられてしまっている状態です。びっくりするかもしれませんがこれは意外に多く、特に市区町村で有料ゴミ袋が指定されているエリアでよく発生します。
これらのマナー違反をしている人は一部だとは思いますが、ほかの入居者の方がこのような「荒れたチラシ入れ」を目にしてしまうと、マンション全体の入居者のマナーが悪くなります。
以前あまりにもチラシ入れ付近が荒れてしまうマンションがあり、不動産屋さんに事情を説明してチラシ入れを撤去してもらったことがあります。
すると、最初の2、3か月は集合ポストの真下付近にチラシを投げ捨てられることもありましたが、徐々にそれも少なくなり、最終的には入居者の方から「チラシがなくなって綺麗になったね」と言ってもらえる程に変わりました。
チラシ入れは入居者の方へのサービスの1つだと思うので、「絶対に置かないほうがいい!」とは思いませんが、置く場合はマナーを守ってもらえるように工夫する必要があるかと思います。