「汚れにくい物件」の特徴とチェックポイント(共用部清掃のソラダム)

【清掃業者が見た!】「汚れにくい物件」の特徴とチェックポイント

物件の購入をご検討中のオーナー様、また、新たに管理物件の評価や管理計画を策定される管理会社の皆様。物件を選定されたり、管理方法を検討されたりする上で、デザインや利便性、収益性はもちろん最重要事項かと存じます。ただ、それと同時に長期的な視点で見過ごせないのが「その物件の清掃のしやすさ、汚れにくさ」というメンテナンス性ではないでしょうか。

 

これは、私たち清掃業者の専門外である「物件購入そのもの」について具体的なアドバイスを差し上げるものではございません。しかし、日々の清掃業務を通じて多くの建物とその特性を見てきた経験から、将来的な清掃コストや日々の維持管理の手間を左右する可能性のある「物件の特性」について、何か一つでもご参考にしていただける情報としてお届けできればと考えております。

 

本記事では、清掃業者の視点から見た、比較的「汚れが蓄積しにくい」「清掃がしやすい」物件に共通する特徴や、逆に注意が必要なポイントをご紹介します。

 

 

I. 共用通路・廊下:日々の印象を左右する重要エリア

共用通路や廊下は、入居者様や内覧者が毎日利用し、目に触れる場所。ここの状態が物件全体の印象に大きく影響します。清掃の観点から見ると、以下のような点にご注目いただくと良いかもしれません。

 

1-1. 吹き溜まり・吹き抜け構造の影響

風が通り抜ける「吹き抜け」構造や、風が一方から吹き込みやすい「吹き溜まり」になりやすい形状の共用通路は、砂埃や枯れ葉、小さなゴミなどが集まりやすい傾向があります。こうした特性を持つ物件では、清掃頻度を考慮しないと、すぐに汚れた印象になる可能性があります。物件をご覧になる際には、風の通り道や、ゴミが溜まりやすそうな箇所がないか、少し気にしていただくと良いでしょう。

 

1-2. 床の排水性と水たまり対策(雨の日の確認推奨!)

共用通路の床面では、雨水がスムーズに排水溝へ流れるよう、適切な勾配がついているかが維持管理のポイントとなります。勾配が不十分だったり、排水溝の位置が効果的でなかったりすると、雨の日に水たまりができやすくなります。水たまりは乾く際に汚れを濃縮させ、頑固な「汚れ染み」の原因となり得ます。
可能であれば、雨の日や雨上がりに物件の状況を確認し、実際に水がどのように流れるか、水たまりができていないかをチェックされると、より実情が把握できるためおすすめです。

共用通路の汚れ染み(共用部清掃のソラダム)

雨上がりに水溜りによる汚れ染みがないかチェック!

 

1-3. 日照条件とコケ・カビのリスク

  • ひさしのない雨ざらし箇所: 屋外通路でひさしがない部分は、直接雨水にさらされるため、床面や壁面にコケやカビが発生しやすい環境と言えます。
  • 日陰の影響: 雨ざらしでなくても、一日中日陰になる場所や、日光が当たりにくい北向きの通路なども、湿気がこもりやすく、同様にコケやカビのリスクが高まる傾向があります。
  • 日当たりのメリット・デメリット: 日当たりの良い共用部は、乾燥しやすくコケやカビは発生しにくい利点がありますが、一方で、強い日差しは床材や壁の塗装などを紫外線で劣化させるスピードが、日陰の場所よりも早くなるという側面もございます。

苔の生えた共用部(共用部清掃のソラダム)

苔が生えやすい箇所は塩素剤の散布や高圧洗浄による清掃計画が大切です

 

1-4. 床材の種類とメンテナンス性(代表的な素材)

床材は美観だけでなく、清掃のしやすさや長期的なメンテナンスコストにも関わってきます。

  • エンボス床(防滑性ビニル床シート): 耐久性・滑りにくさから多くの物件で採用されていますが、表面の凹凸に土砂やホコリが入り込みやすく、日常清掃のモップ拭きだけでは落としきれない汚れが蓄積しやすい特性があります。美観維持のためには、ポリッシャーや高圧洗浄機による定期的な機械洗浄の計画が推奨されます。
  • 石材床(御影石など): 高級感があり、物件のグレードを高める素材です。ただし、表面の加工方法によって汚れの付きやすさや清掃方法が異なります。
    • ジェットバーナー仕上げ: 表面の凹凸が滑りにくさを提供しますが、汚れが溜まりやすく、染みにもなりやすいです。こちらも定期的な機械洗浄を視野に入れると良いでしょう。
    • 本磨き仕上げ: 表面が滑らかで光沢があり、汚れは拭き取りやすいですが、水に濡れると非常に滑りやすいため、特に雨の日のエントランスなどではこまめな拭き上げといった対応が必要になる場合があります。
  • 屋内カーペット: 高級感や温かみがあり、足音も吸収しますが、液体をこぼした際のシミ抜きや全体のクリーニングには専用の資機材と技術が求められるため、他の床材に比べてメンテナンスコストが高くなる傾向が見られます。
  • 磁器タイル: 耐久性が高く、比較的汚れも落としやすいですが、タイル間の「目地」に汚れが蓄積しやすく、黒ずみが目立ってくることがあります。酸性の強い洗剤は目地を傷め、タイルの剥がれに繋がる恐れがあるため、洗剤選びには専門的な知識が求められます。

1-5. 照明周りの対策(虫、蜘蛛の巣、管球交換費の観点から)

共用部の照明には、夏場を中心に虫が集まりやすく、それに伴い蜘蛛の巣も張られやすくなります。照明カバー内部に虫の死骸が溜まると美観を損ね、照度も低下することがあります。
これらの対策と、定期的な管球交換の手間やコストを考慮すると、照明のLED化は有効な選択肢の一つです。LED照明は虫が寄りにくい波長の製品があり、長寿命であるため、メンテナンスの手間とコスト削減に貢献します。

 

 

II. 階段:意外と汚れが目立つ場所

階段も日常的に多くの人が利用し、汚れが蓄積しやすい場所です。清掃の観点からは以下のような点があります。

 

2-1. 踏面の勾配と排水性

屋外階段の場合、各段の踏面(足を乗せる面)に適切な水勾配がついていると、雨水がスムーズに流れ、汚れが滞留しにくくなる傾向があります。階段の脇や踊り場に排水溝が設置されている構造であれば、さらに排水性が高まり、清掃もしやすくなります。水が溜まりやすい構造は、コケや汚れ染みの原因になり得ます。
階段の汚れ染み(共用部清掃のソラダム)

共用通路と同様に、雨上がりに水溜りによる汚れ染みがないかチェック!

 

 

III.駐輪場:形状による清掃性の違い

駐輪場は、自転車のタイヤについた泥や、外部からの持ち込みゴミ、風で飛んできた枯れ葉などが溜まりやすい場所です。

 

3-1. サイクルラックの形状と清掃性

設置されているサイクルラックの形状によって、清掃のしやすさが変わることがあります。ラックの下や自転車と自転車の間に枯れ葉やホコリが溜まりやすい形状のものは、清掃に手間がかかることがあります。逆に、床面との間に十分なスペースがあるものや、シンプルな構造のラックは、比較的掃除がしやすいと言えるでしょう。
サイクルラックの掃除(共用部清掃のソラダム)

ラックの構造によっては清掃しにくい場合も…

 

サイクルラックの掃除(共用部清掃のソラダム)

シンプルな構造だと清掃しやすいです!

 

 

IV. 駐車場:広範囲だけにメンテナンス性を考慮

駐車場は面積が広いため、採用されている素材や構造によって、清掃の手間やコストが大きく変わることが予想されます。

 

4-1. 砂利敷き駐車場の特性と注意点

初期コストは抑えられる傾向にありますが、維持管理の観点からはいくつかの注意点があります。

  • 車の通行による砂利の飛散や偏りが生じやすく、定期的な砂利の補充や均し作業が必要になることがあります。
  • 砂利の下の土が強風時に砂埃として舞い上がり、建物や駐車車両を汚す原因になることがあります。
  • 雑草が生えやすく、定期的な除草作業も考慮に入れる必要があります。

物件の状況を見る際には、砂利が隙間なく敷き詰められているか、駐車場の出入り口付近は砂利が外部に流出しないような工夫(一部アスファルト舗装や段差など)がされているかといった点を確認されると良いかもしれません。

 

4-2. アスファルト舗装駐車場の特性

汚れが目立ちにくく、メンテナンス性に優れていると言えますが、アスファルト表面の細かな隙間に枯れ葉や小さなゴミが入り込みやすく、これらをホウキだけで綺麗に掃き出すのは手間がかかることがあります。ブロワー(送風機)を使用すると効率的な清掃が可能です。

 

4-3. 機械式駐車場の清掃に関する課題

機械式駐車場は、構造上、機械の隙間やパレットの下などにゴミや汚れが入り込みやすく、日常的な清掃が難しい箇所です。専門業者による定期的な清掃・メンテナンスの計画が重要になります。

 

 

V. 建物周り(外周):植栽と地面の仕上げから見る管理ポイント

建物の外周は、物件の第一印象を左右するだけでなく、雑草対策や防犯面での配慮も求められます。

 

5-1. 植栽の有無とメンテナンス

  • 植栽あり: 手入れの行き届いた植栽は、建物全体の印象を格段に良くし、物件の価値を高める要素となります。一方で、植栽周りの定期的な除草、剪定、落ち葉の清掃などのメンテナンスコストは計画に含める必要があります。
  • 植栽選びのポイント: 見栄えだけでなく、その場所の日照条件(日向向きか日陰向きか)、葉の落ちやすさ(常緑樹か落葉樹か)、成長の早さ、病害虫への強さなどを考慮した選定が、将来の管理の手間を左右します。特に日陰でも比較的生育しやすい種類か、落ち葉が広範囲に散らばりにくいかなどは、維持管理の観点から重要なポイントです。

5-2. 防草シート・砂利敷きの効果と留意点

建物の犬走りや裏手などに防草シートを敷き、その上に砂利を敷き詰める方法は、

  • 雑草の抑制効果があり、除草の手間や除草剤によるメンテナンスが軽減される。
  • 人が歩くと音がするため、防犯効果が期待できる。
  • 土の露出を防ぎ、雨天時の泥はねや砂埃の飛散を抑制する。

といったメリットが期待できます。ただし、環境によっては猫などが侵入してトイレ代わりにするケースも見られるため、忌避剤の設置などの対策が必要になる場合もあります。

砂利敷き清掃前(共用部清掃のソラダム)

ビフォー

砂利敷き清掃後(共用部清掃のソラダム)

アフター

砂利の掃除にはブロワーが必須!

 

 

VI. ゴミ置き場:管理状態が最も現れる場所

ゴミ置き場の管理状態は、入居者満足度や物件の評価に大きく影響します。

 

6-1. 設置場所によるリスク

道路に面したオープンなゴミ置き場は、通行人による不法投棄(家庭ごみ、粗大ごみなど)のリスクが高まる傾向があります。可能な限り、敷地内で関係者以外が容易にアクセスできない場所に設置されているか、フェンスや扉などで区画されている方が、管理上望ましいと言えるでしょう。

 

6-2. ゴミネットとゴミストッカーの比較

  • ゴミネット: 収集されるゴミが外部から見えやすいため、分別意識が働きやすく、比較的マナーが守られる傾向にあると言われます。しかし、ゴミ出し時間を守らない入居者がいると、カラスや猫などに荒らされ、散乱したゴミで美観を著しく損ねる危険性があります。
  • ゴミストッカー(金属製や樹脂製の箱型ゴミ箱): ゴミが外部から見えないため美観は保ちやすいですが、逆に「見えないから大丈夫だろう」という心理からか、分別されていないゴミが捨てられやすくなる傾向も見られます。また、ストッカー内部や床面には汚れや臭いが付きやすいため、定期的な洗浄が推奨されます。

荒れたゴミストッカー(共用部清掃のソラダム)

ビフォー

清掃後のゴミストッカー(共用部清掃のソラダム)

アフター

ゴミストッカーを設置したら水洗い清掃は必須です!

 

 

VII. 物件の立地・周辺環境:外部からの汚れ要因

物件自体の構造だけでなく、どのような場所に建っているかも、清掃の頻度や内容に大きく影響します。これは私たち清掃業者にとっても、非常に重要な確認ポイントです。

  • 近隣施設の影響:
    • 学校(特にグラウンドが砂地の学校): 風向きによってグラウンドの砂が飛んできて、共用廊下や窓ガラスが汚れやすくなることがあります。
    • 公園(砂場や砂地の広場がある公園): こちらも同様に砂埃の影響を受けやすいと考えられます。
    • 大量の樹木(大きな公園、街路樹、隣接地の緑地など): 季節によって大量の落ち葉が飛んできたり、花粉や樹液で汚れたりする可能性があります。

これらの施設が物件のすぐ近くにある場合は、砂埃や落ち葉の清掃頻度を上げるなど、管理計画に影響が出るかもしれません。
堆積した砂埃(共用部清掃のソラダム)

砂埃が舞いやすいエリアは水洗いを清掃の仕様に!

 

堆積した枯葉(共用部清掃のソラダム)

イチョウ並木が近くにあるとこれぐらい溜まります…

 

 

これらの知識を実際の物件選びや管理に活かすために、具体的な確認項目をまとめた「共用部清掃 評価チェックリスト」をご用意しました。このチェックリストを使えば、共用通路からゴミ置き場、さらには周辺環境に至るまで、物件の清掃性に関わる重要なポイントを網羅的に確認できます。

以下のリンクからチェックリストを確認し、物件選びや管理にお役立てください。

>> 共用部清掃 評価チェックリストはこちら <<

 

 

まとめ:清掃の視点を加えた物件評価で、将来の安心と快適な維持管理を

今回は、清掃業者の視点から、将来の清掃コストや手間に関わる可能性のある「物件の特性」について、いくつかのポイントをご紹介しました。
物件を選定する際、あるいは管理計画を立てる際に、「清掃のしやすさ」「汚れにくさ」といった維持管理の視点を少し加えていただくだけで、将来的なコストの最適化、美観の長期的な維持、そして何よりも入居者様の快適な生活環境の提供に繋がるものと、私たちは考えております。

 

もちろん、全ての条件を理想通りに満たす物件ばかりではないかもしれません。しかし、これらのポイントを参考情報として知っていただくことで、物件ごとの「汚れやすさのリスク」や「清掃・管理における注意点」をある程度事前に把握し、購入後の適切な管理計画や予算策定、あるいは管理受託時のご提案などに役立てていただけるのではないかと思います。

 

もし物件の特性評価や管理計画において、「清掃の観点から見ると、この物件はどうだろうか?」といったご検討事項がございましたら、ぜひ一度、ソラダムにご相談いただけると幸いです。

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